不動産の価格って難しい
確かに色々な評価方法がありますからね。
投資用中古マンションについて
投資用中古マンションについて、東京都の23区の中古マンション価格は2012年末以降、上昇を続けています。
一方で、中古マンションの賃料単価はおおむね横ばい傾向です。
⇒賃料が横ばいなのにマンションの価格が上昇しているのは、なぜか?
中古マンションの価格は一般的に収益還元法により決められています。
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『中古マンション価格=①年間賃料収入÷②表面利回り』
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ここで、①年間賃料収入が一定とした場合、②表面利回りが下がらないと、中古マンション価格は上昇しないことがわかります。
また、
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②表面利回りは、『無リスク金利(10年国債利回り)+リスクプレミアム(投資商品の期待利回り)』
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から構成されています。
10年国債利回りは、右肩下がりを続け、現在は0%付近で横ばい傾向です。
リスクプレミアムは、基本的には5%~6%の範囲で推移しているのではないかと言われています。
※中古マンション価格が今後さらに上昇していくためには、年間賃料収入が上昇するか、または10年国債利回りかリスクプレミアムが下がるかが必要になりますが、なかなか実現が難しいかもしれません。
つまり、それは今後中古マンション価格が上昇する理由が見当たらないことを意味するのではないでしょうか。
不動産鑑定評価で価格を求める手法
不動産鑑定評価で価格を求める手法は、以下の3つがあります。
①原価法(積算価格)
対象不動産の再調達原価(その時点で土地を造成したり、建物を建築したりする場合の価格)を求めて、この再調達原価について減価修正(経過年数による物理的減価など)を行って求める手法。
②取引事例比較法(比準価格)
多数の取引事例を収集して適切な選択を行い、適宜、これらの取引価格に事情補正、時点修正を施し、地域要因、個別的要因の比較などを行って求められた価格を比較考慮して求める手法
③収益還元法(収益価格)
対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純利益の現在価値の総和により求める手法
収益価格=一定期間の純収益÷還元利回り(直接還元法)
この式からわかる通り、収益還元法の場合、純収益が同額でも還元利回りによって価格が大きく異なることがわかりますね。