上場株式配当金に対する課税方式は、①申告不要(源泉徴収されたまま完結)、②申告分離課税(他の所得と分けて申告)、③総合課税(給与所得など他の所得と合算して申告)する3パターンがある。
特定口座を利用している多くの投資家は、①申告不要を選んでいるのが多い(配当受取時に所得税20%、住民税5%が源泉徴収される)。
③の総合課税を選択するケースは配当控除という軽減の仕組みを活用し、所得水準によっては税率が源泉徴収税率の20%より低くなり、有利なケースがある、
ここで、税制上、株式の配当は所得税(国税)と住民税(地方税)が別々に課され、それぞれ有利な課税方式を納税者が選択できる仕組みになっている。従来は所得税で選んだ方式が自動的に住民税に適用され、有利な方式を住民税で選ぶことができなかったが、16年の所得を基に計算する17年度の住民税からは認められるようになった。
つまり、所得税は総合課税で配当控除の適用を受け、住民税は申告不要を選択することによって、所得税住民税トータルで節税ができるのがポイント(さらに場合によっては、国民健康保険や後期高齢者医療費の負担を減らすことができる)。
この場合、上場株式配当金について所得税は総合課税を選択し確定申告をし、市区町村にて住民税の扱いを申告不要とすることになる。
概算値ではあるが、一般に所得が900万円以上の場合は所得税も住民税も申告不要を選択するのが得になる。
一方、所得が900万円以下の場合、所得税は総合課税を選択し、住民税は申告不要を選択するのが得となる。
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